●次世代二次電池市場(金属-空気電池/有機二次電池) (91~114ページ)
~LABは研究開発が急展開、有機二次電池は実用化が近づく~
1.はじめに
1-1.金属-空気電池の現状と課題
(1)金属-空気一次電池と二次電池
【図】リチウム-空気電池のエネルギー密度の比較(概念図)
【図】リチウム-空気二次電池の概念図
(2)LABのタイプ分類
1-2.有機二次電池の現状と課題
(1)放電容量はLIBの2倍以上
(2)有機活物質の種類と開発動向
【図】薄型「有機ラジカル電池」の柔軟性
1-3.今後の市場化予測
(1)金属-空気電池の市場展開
【表グラフ】金属-空気電池のWW市場規模推移(金額:2012年見込-2025年予測)
(2)有機二次電池の市場展開
【表グラフ】有機二次電池のWW市場規模推移(金額:2012年見込-2020年予測)
2.注目機関企業の動向
2-1.金属-空気電池関連
(1)三重大学
【図】リチウム被膜電極模式図
(2)京都大学
【図】RISING事業用ビームラインの実験ハッチ部
(3)(独)産業技術総合研究所つくばセンター
【図】「ハイブリッド型電解液タイプ」の構造
(4)(独)物質材料研究機構
(5)ファルタマイクロバッテリー(VARTA Microbattery GmbH.)
【図】ファルタマイクロバッテリーの亜鉛空気電池
2-2.有機二次電池関連
(1)(独)産業技術総合研究所関西センター
【図】各種の有機正極材料の放電曲線
(2)(株)村田製作所
(3)イーメックス(株)
【図】正極材料の放電特性比較(導電性高分子正極、LIB、EDLC)
《コラム》
●土用の丑の日? (115~115ページ)
関連マーケットレポート Yano E plus 2012年7月号(No.052)
●●● トピックス ●●●
《単結晶シリーズ》
●ダイヤモンド単結晶市場 ~注目される半導体デバイスとしての優れた特性~
今、注目されているのはダイヤモンド単結晶の優れた特性を利用し、各種電子デバイスへ応用を図ることである。
ダイヤモンドには高い絶縁耐圧と高い熱伝導率という非常に優れた特長があり、高電圧をかけても壊れ難く、大電流を流した時に発生するジュール熱を効率的に逃がすことができる。同時に、ダイヤモンドは絶縁体に近い半導体であることから、大電流を流すことが難しく、パワーデバイスとして利用する上で大きな課題となっている。
ダイヤモンド単結晶は発光デバイスとしての応用にも注目が集まっている。波長が350nm以下の紫外光源は殺菌浄水、高密度光記録用光源蛍光分析などの各種情報センシング、医療バイオ分野などへの幅広い応用が期待されている。このため、小型軽量化が可能な深紫外線LEDの実現が望まれている。深紫外線を放射するLEDの材料としては、これまで窒化アルミニウムガリウムのような直接遷移型の化合物半導体しか実用にならないと考えられていた。
しかし、ダイヤモンドは単元素半導体材料であるため構造欠陥が無く、優れた機械的特性、化学的特性、光学特性も兼ね備えており、室温以上でも高密度に存在できるダイヤモンドの励起子を用いることによって、間接遷移半導体ではあっても室温以上で波長250nmの深紫外線を発光できることが知られている。ダイヤモンドでの励起子の発光機構に関する詳細な研究を基に、この特徴を活かしたデバイス構成によって、高い発光の内部量子効率を持つダイオードの開発が期待されている。
現状、ダイヤモンド単結晶は、切削耐磨耗工具という古い用途分野と、パワーデバイスや紫外線発光デバイスなどの電子デバイスという新しい用途分野が混在している。
前者の切削耐磨耗工具は安定成長、後者の電子デバイスは、まだ揺籃期なので、市場規模も小さく伸びも鋭くないが、今後、切削耐磨耗工具をはるかに超える大きな市場として成長する可能性がある。
また、未知の研究領域ではあるが、原理的にレーザーと同じ単色性の強い発光の可能性も指摘されている。
これが実現すれば、これまでのレーザーと比較して非常に簡単な構造でコンパクトな発光デバイスが可能になる期待もある。
●●● 内容目次 ●●●
《単結晶シリーズ》